
「Pourquoi es-tu venu ?」
ホテルのクロークだったか、タクシーの運転手だったか…ちょっと忘れてしまったけれどそう聞かれてはっとした。
フランス語で「何をしに来たの?」という意味なのだけど、言葉に詰まった。
日本でよくある「どこから来たの?どこへ行くの?」じゃない。
もちろん彼らにとっては深い意味はなく、挨拶的に使うものらしいのだけど、そこから、滞在中、ちょこちょこ考えるようになってしまった。
一体、僕は何をしに、何のために来たのだろう。
@wheels_and_waves を見るため?
仕事の挨拶回りをするため?
自分のARTを見てほしいから?
で、そこからどうしたいの?
ここでなくちゃいけない理由は?
この流れは、最終的には「何のために生きてるの?」になる。(笑)
ところで、ビアリッツは本当に美しい街だった。
町並みだけでなく、そこに住む人々もどこか品がある。
食べ物も種類豊富でどれも美味しい。
同じフランスだけどパリとは違う時間が流れていた。
朝早く起きて、バイクで街を流した。
気温は20度くらい。
風は少し冷たく、陽の光が心地よい。
ビスケー湾の向こうにはアメリカ大陸、ピレネー山脈の向こうにはアフリカ大陸鎮座しているんだと思うと、すこしわくわくした。
初めてツーリングに出たときの感覚が蘇った。
生きてる理由も蘇った。
つづく(次でラスト)