ホイールズアンドウェーブスへ ④

「Pourquoi es-tu venu ?」

ホテルのクロークだったか、タクシーの運転手だったか…ちょっと忘れてしまったけれどそう聞かれてはっとした。

フランス語で「何をしに来たの?」という意味なのだけど、言葉に詰まった。

日本でよくある「どこから来たの?どこへ行くの?」じゃない。

もちろん彼らにとっては深い意味はなく、挨拶的に使うものらしいのだけど、そこから、滞在中、ちょこちょこ考えるようになってしまった。

一体、僕は何をしに、何のために来たのだろう。

@wheels_and_waves を見るため?

仕事の挨拶回りをするため?

自分のARTを見てほしいから?

で、そこからどうしたいの?
ここでなくちゃいけない理由は?

この流れは、最終的には「何のために生きてるの?」になる。(笑)

ところで、ビアリッツは本当に美しい街だった。
町並みだけでなく、そこに住む人々もどこか品がある。
食べ物も種類豊富でどれも美味しい。

同じフランスだけどパリとは違う時間が流れていた。

朝早く起きて、バイクで街を流した。
気温は20度くらい。
風は少し冷たく、陽の光が心地よい。

ビスケー湾の向こうにはアメリカ大陸、ピレネー山脈の向こうにはアフリカ大陸鎮座しているんだと思うと、すこしわくわくした。

初めてツーリングに出たときの感覚が蘇った。

生きてる理由も蘇った。

つづく(次でラスト)