何かが足りない

宿代を払うくらいなら、ガソリン代に注ぎ込みたかったあの頃、キャンプは節約のためのツールでしかなかった。

どこのキャンプ場に行っても(もちろんキャンプ場じゃないところに張ることが多かったけど)、出会う人たちは同じような人たちばかりだった気がする。

今のキャンプも十分に楽しいのだけど、あの頃とは何かが足りない。

早朝、まるで映画が始まるように、鳥や風や雨の音がフェードインしてきて目が覚める、あの透明な感覚を久しく経験していない。

夏です。