
自由を求めて…と言いつつ、いざ自由を与えられるとどう愉しんでいいのか分からないという人が多い気がする。
乗る、いじる以外にモーターサイクルにはたくさんの愉しみ方がある。むしろモーターサイクルそのものは脇役で、そこで巻き起こるドラマを愉しむようなイベントがもっとたくさんあってよいと思う。
もちろんモーターサイクルはそこにあって、自由に乗ったり、カスタム話に華を咲かせてもよいだろう。
かくいう僕もコンテンツを盛り盛りにすることに躍起になっていた頃もあった。
来場者に暇な時間を作らせないことが、よいことだと考えていた。
そういうイベントが多かったし、参加者もイベントはそういうものだという認識になった。
モーターサイクルに関わらず、日本ではそういう雰囲気が漂っている。
主催者は与えるもの。
参加者は貰うもの。
結果、主催者はコンテンツ作りに躍起になり、疲弊し、参加者は与えられることに慣れ、ついには欲しがるようになる。
その先にあるのはなんだろう。
自由からはきっとほど遠い。
バイクタレントと呼ばれる人たちがステージにあがり、パーツショップのブースが軒を連ね、フードテントが並ぶ。自分が乗ってきた、愛しのモーターサイクルは、会場からは見えもしない。
ここ10年、どこも同じような雰囲気になってしまった。
誤解してほしくはないのは、これが良いとか悪いとかの話ではなく、そういえばそうだなと、個人的に感じた現象の話である。
帰り道、そういうことを考えさせられたイベントが、先週末、千葉で開催された。
思い出すと、なんだか今も愉しい。