
「Pourquoi es-tu venu ?」
ホテルのクロークだったか、タクシーの運転手だったか…ちょっと忘れてしまったけれどそう聞かれてはっとした。
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「Pourquoi es-tu venu ?」
ホテルのクロークだったか、タクシーの運転手だったか…ちょっと忘れてしまったけれどそう聞かれてはっとした。
“ホイールズアンドウェーブスへ ④” の続きを読む自由を求めて…と言いつつ、いざ自由を与えられるとどう愉しんでいいのか分からないという人が多い気がする。
乗る、いじる以外にモーターサイクルにはたくさんの愉しみ方がある。むしろモーターサイクルそのものは脇役で、そこで巻き起こるドラマを愉しむようなイベントがもっとたくさんあってよいと思う。
もちろんモーターサイクルはそこにあって、自由に乗ったり、カスタム話に華を咲かせてもよいだろう。
かくいう僕もコンテンツを盛り盛りにすることに躍起になっていた頃もあった。
来場者に暇な時間を作らせないことが、よいことだと考えていた。
そういうイベントが多かったし、参加者もイベントはそういうものだという認識になった。
モーターサイクルに関わらず、日本ではそういう雰囲気が漂っている。
主催者は与えるもの。
参加者は貰うもの。
結果、主催者はコンテンツ作りに躍起になり、疲弊し、参加者は与えられることに慣れ、ついには欲しがるようになる。
その先にあるのはなんだろう。
自由からはきっとほど遠い。
バイクタレントと呼ばれる人たちがステージにあがり、パーツショップのブースが軒を連ね、フードテントが並ぶ。自分が乗ってきた、愛しのモーターサイクルは、会場からは見えもしない。
ここ10年、どこも同じような雰囲気になってしまった。
誤解してほしくはないのは、これが良いとか悪いとかの話ではなく、そういえばそうだなと、個人的に感じた現象の話である。
帰り道、そういうことを考えさせられたイベントが、先週末、千葉で開催された。
思い出すと、なんだか今も愉しい。
それは、あと数日で2022年も終わるという師走の頃に、突然、連絡があった。
各地でイベントを開催するから、そこで配布するステッカーに使うアートデザインを描いてほしい…というような依頼だったと思う。
ま、そのくらいなら…と思って引き受けたのが始まりだった。
そこから年明けとともに、紆余曲折あって、すべてのイベントのキービジュアル、さらには、夏の一大イベントのビジュアルまで描かせていただくことになった。
まじで全く予想していない展開に面食らいながらも、メーカーの製品を片っ端から目を通し、ブランドヒストリー、日本でのこれまでの経緯を調べ上げ、試乗会で実際に乗ってみたりして、ビジュアルの方向性がおぼろげに見えてきたと同時に描きあげた。
僕は、なにもないところから、インスピレーション的に描くことのできるタイプのアーティストではないから、どうしても時間はかかってしまう。
こういった外注案件の場合は、描いた後も、著作権等々の契約書の取り交わしなど全てクリアしてからようやくお披露目となる。(ここは全くおもしろくない作業だけど非常に重要)
これを、実質、1ヶ月弱でクロージングするという超特急案件だったにも関わらず、スムーズに進行させていただけたのは、代理店や、メーカーの広報担当者様のおかげでもある。
この案件に関わる全ての担当者さんそれぞれに熱があった。
みな、何かを仕掛けてやろう、新しいことをやってやろうという気概がビシバシ伝わってきた。
こういう案件は面白い。
描いたら終わりにならない。
回を重ねるごとに進化していく。
週末、2回目となるミーティングイベントが日光で開催されたので、見にいってきました。
感無量でした。
ありがとうございます。
駆けつけてくれた白黒ファンの皆様にも感謝🦊🤘