今どこ

“なりたい”から”なる”に至る間の、”なりかけ”という状態が一番キツくて、泥臭くて、美しい。

それまで勢いでできたことが、うまくいかなくなるし、妥協もしなくちゃいけなくなる。

あれほど立ちたかったステージが、この世で一番嫌いな場所になりさえする。周りにすげぇだのかっけーだの失敗するだの言われてるうちはまだまだ全然入口で、いざ歩き始めると、もう誰の声も光も届かない。

長い長いトンネルみたいなところをひとりぼっちで歩かなくちゃいけなくなる。誰も先導できないし、連れていくこともできない。

つらいだろう、こわいだろう、でも、それこそがホントの道である証拠だ。

闇の中で、はじめて自分と対峙して、自分がいかに些末で矮小で卑しい存在であるかを知る。

でも、そんな自分でも存在していることは確かで、そのトンネルの中では唯一の相棒だ。友達や恋人、親兄弟を信じなくてもいい、信じる必要もない。いずれにせよ他人だ。

ただ自分で自分を信じられなくなったら終わりだ。誰がなんと言おうと、それだけは諦めちゃいけない。もし、諦めたら、そのトンネルにはもう二度と入ることはできない。だから楽しみ、美しいと思い、前に進むことだけを考える。

戻ってもそこにはもう誰もいない。そんな長い長い闇の先に”なる”がある。

そんなトンネルがこの先何本もあるんだと思う。

感動とかそういうんじゃない

一度だけ、風景に涙を流したことがある。

20代の夏。

北の大地。

夕暮れ時。

オレンジに染まる海や空や山々。

筆舌に尽くしがたい見事な夕景ではあったけど、北の地を走っていればよくある風景で、その時は、宿のチェックインが迫っていて、少し急いでいた。

ふと、遠くから名前を呼ばれた気がして、アクセルを緩めた。

風切り音だったかもしれないけど、なんだか母親の声に似ていたように思えて、エンジンを切り、耳を傾けた。

一台のトラックが過ぎ去り、やがて何も聞こえなくなった。

風の音も、鳥の声も、なにも聞こえない。
静寂というより、無音。

自分のブーツが地面に擦れる音だけが聞こえていた。

海を見ると、太陽がちょうど沈む間際で、最後の光がどんどん小さくなって、点になって、水平線に消えるところだった。

その瞬間に涙が溢れた。
感動とかいった類のものではない。

今でも説明がつかないし、あの時以来それはない。

来月はそんな記憶の風景。

夏です。

Rain or Shine 2022 終了

白黒ライブプリンティングツアー「Rain or Shine 2022」、全日程無事終了しました!

ラストのMotorimoda福岡店では、R.O.S.史上最高オーダー数をいただき、閉店時間をかなりオーバーして終了したものの、製作間に合わず、後日製作もあったりと、うれしい悲鳴が聞こえた一日となりました。

なにより、白黒の常連様とリアルにお会いできたことが嬉しかったです。

現地サポーターとして丸一日店頭に立って下さった @yuu___n250 様、また、何から何まで準備、宣伝してくださったMotorimoda福岡店の店長、タケちゃん(そう呼んでくださいと仰るのでw)には、感謝しっぱなしです。

おかげさまで、最高のゴールを迎えることができました。

ありがとうございました。

旅の途中

九州入りしました!

もう何日目だっけな。

だんだんと日にち感覚が薄れてきて、使命感のみで走っているような気がする。

走って、ライブプリンティングして、宿に帰って、版や資材をメンテナンスして、地元のお店で食事をする。

基本的にこれの繰り返しなのだけど、少し酔ってホテルに帰った時なんかに、前日泊まったホテルの部屋番号をクロークに言ってしまったりすること度々(笑)

明日は最終地、福岡イベント。
ラストまで全開で駆け抜けますので、よろしくです。

P.S.
まだたまにアイドリングがグズつくことはあるけれど、バイクは元気です。

DOG RIDE

僕はよく犬とRIDEする。

後ろ足はシートに、タンクの上には前足をのせて走る。

賛否両論はもちろんあって、その様子を勝手に撮った知らない誰かのSNSで、これまた勝手に炎上しているのを見たこともある。

あぶない

気持ちよさそう

信じられない

真似したい

何かあったらどうするの

それを見て、何も感じないということはないけど、別段、感情的になることもない。

それよりも少し懐かしかった。

Tシャツ&スニーカーでバイクに乗った時も同じようなことを言われたなと。

あえていおう。

人は人。
自分は自分。

スロットルを握るのは君自身。

かっこよすぎた

DIRT FREAKのアパレルライン”DFG”のイメージムービーに、参加させていただきました。

バイク仲間の風間晋之介くんがムービーのプロデュースをしているだけあって、クオリティがヤバいです。

DFGのアパレル以外は自前なので、僕らにとってはいつも通りのキャンプツーリングでしたが、こうやって切り抜かれると色々な発見がありますね。

まさにRIDECUTな撮影でした。

ノーカット、フルバージョンも是非ご覧ください。(YouTubeでDFGと検索すると出て来ると思います。)

ちなみに、こちらの映像は今週末の東京モーターサイクルショー内でも流れるようです。

行かれる方はぜひぜひDIRT FREAKのブースにお立ち寄りください!

あえてそっちの道を

そっちはダメだ、行ってはいけないと思えるような道を見つけると、居ても立っても居られなくなる。

ダメで当然、ならば、行けるとこまで行ってやろうと考えて、入りこんでしまう。

ところが、そういう道に限って、なかなか諦めさせてくれない。

気がつくと、もう取り返しのつかない所まで来てしまっていて、ようやく不安に駆られる始末。

そういう道はいつまでも記憶に残る。
また行きたいと思うけれど、一体どこから入ったのかさっぱり思い出せない。

竜飛崎に向かう途中のあの脇道。
素晴らしかった。