お客様の様

つくりたいものをつくってはいるけれど、そこに対価を支払ってくれる人たちのことを忘れたことはない。

誰だって、最初から完璧なものを作れるわけじゃない。だからといって完璧なものができるまでやっていたら、一生かかってしまう。

完璧に到達するまでの途中にも関わらず、対価を払ってくれるから、お客”様”というのだと、これは僕なりの考え。

もちろん、完璧ではない代わりに、ある程度の完成度を満たしたものしか売らないけど、それにしてもありがたい存在だし、お客様なしでは、材料も買えなければ、生きていくことすらできない。

いわばお客様は水を与えてくれる存在で、僕は種みたいなものだ。

だからこそ、新しい手法やアイデアを考え続け、枝を伸ばし、根を張り、完璧な木に育てなければならない。

ブランドってそういうものだと、これも、僕の考え。

2014年のふもとっぱら

それはまだ、僕らが駆け出しの頃。

富士山の麓にやたら広いキャンプ場があった。

まだ聖地とかいわれる前の頃。

いつも自由だった。

充分すぎるほど自由なのに。

自由を求めていた。

今となっては叶わない。

なにもかも。

SIROKURO CAFE 2022 終了

雨模様となったSIROKURO CAFE 2022、コーヒー片手にお客さんとまったり過ごせそう!…と思いきや、またしても、休む暇もない一日でした (笑)

ご来場くださいました方々、ほんとうにありがとうございました。

なんといっても、とっきーによるライブプリンティングはみなさん固唾を呑んで見守っていましたが、イベント開始前の練習で、すでに要領を得ていた彼女でしたので、僕としては、何の不安もなく任せることができました。

Sumisho Coffeeのオリジナルブレンドも非常に完成度が高く、アイスコーヒーは特に人気でしたね!

会場内の老舗モーターサイクルメーカーのブースや朝日さんの写真展示も相まって、なかなかに濃い雰囲気での開催となりました。

今回、全面協力いただきましたバイク弁当さんにも感謝です。

またどこかでお会いしましょう!

どんどんやりましょう

やりたいことは
全部やる

あそこと関わってみたい
あの子と付き合ってみたい
あのバイクに乗ってみたい
あの国に行ってみたい
こんなものを作ってみたい

そんなものが今あるなら
それはとてもラッキーなこと

失敗しようが、成功しようが
そんなことは大した問題じゃない

やってみることに価値がある

人生はそのために用意されていると思う。

バイクカバーのTシャツ

ギミックが人気で、あっという間に完売してしまったこちらのコレクション、本日、初回オーダー分がようやく完成しまして、発送完了しましたので、再製作分のオーダーを受付けたいと思います。

やはり、どうしても製作に時間を要する為、今回もまた5オーダー限定とさせていただきます。

発送は8月頭になります。

どうぞ宜しくお願いします。

今どこ

“なりたい”から”なる”に至る間の、”なりかけ”という状態が一番キツくて、泥臭くて、美しい。

それまで勢いでできたことが、うまくいかなくなるし、妥協もしなくちゃいけなくなる。

あれほど立ちたかったステージが、この世で一番嫌いな場所になりさえする。周りにすげぇだのかっけーだの失敗するだの言われてるうちはまだまだ全然入口で、いざ歩き始めると、もう誰の声も光も届かない。

長い長いトンネルみたいなところをひとりぼっちで歩かなくちゃいけなくなる。誰も先導できないし、連れていくこともできない。

つらいだろう、こわいだろう、でも、それこそがホントの道である証拠だ。

闇の中で、はじめて自分と対峙して、自分がいかに些末で矮小で卑しい存在であるかを知る。

でも、そんな自分でも存在していることは確かで、そのトンネルの中では唯一の相棒だ。友達や恋人、親兄弟を信じなくてもいい、信じる必要もない。いずれにせよ他人だ。

ただ自分で自分を信じられなくなったら終わりだ。誰がなんと言おうと、それだけは諦めちゃいけない。もし、諦めたら、そのトンネルにはもう二度と入ることはできない。だから楽しみ、美しいと思い、前に進むことだけを考える。

戻ってもそこにはもう誰もいない。そんな長い長い闇の先に”なる”がある。

そんなトンネルがこの先何本もあるんだと思う。

感動とかそういうんじゃない

一度だけ、風景に涙を流したことがある。

20代の夏。

北の大地。

夕暮れ時。

オレンジに染まる海や空や山々。

筆舌に尽くしがたい見事な夕景ではあったけど、北の地を走っていればよくある風景で、その時は、宿のチェックインが迫っていて、少し急いでいた。

ふと、遠くから名前を呼ばれた気がして、アクセルを緩めた。

風切り音だったかもしれないけど、なんだか母親の声に似ていたように思えて、エンジンを切り、耳を傾けた。

一台のトラックが過ぎ去り、やがて何も聞こえなくなった。

風の音も、鳥の声も、なにも聞こえない。
静寂というより、無音。

自分のブーツが地面に擦れる音だけが聞こえていた。

海を見ると、太陽がちょうど沈む間際で、最後の光がどんどん小さくなって、点になって、水平線に消えるところだった。

その瞬間に涙が溢れた。
感動とかいった類のものではない。

今でも説明がつかないし、あの時以来それはない。

来月はそんな記憶の風景。

夏です。