ビアリッツ空港に着くと、サーファーのピエロが迎えに来てくれた。ピエロっていうのはニックネームでPierre-OlivierだからPierro。1ヶ月くらい前にインスタで連絡が来て、今年のWheels and Wavesのビジュアルが気に入ったからコラボしないか?というところから始まって、めっちゃ仲良くなって今に至る!(色々割愛)
最初は、この会場で自分の作品を展示できればそれでよかった。去年、Wheels and Wavesに初めて行って、この展示会のことを知ったんです。モーターサイクル・アーティストと名乗り、バイク専門のグラフィックアーティストとして活動してきた僕にとって、ARTRIDEはまさに自分のための展示だと感じたし、日本はもちろん、世界中を探しても、この規模のアート展はみつからないと思う。
だから、去年のWheels and Wavesから帰ってくるや否や、ARTRIDE出展のための準備を始めたんです。参加費用や審査の有無などの情報が全くなかったから、運営に問い合わせたのだけど、全く返信がなくて困ったよね。何度メールしても返信なし。
訳:KIICHI:バイクと車をこよなく愛し、「Wheels and Waves 2025」のビジュアル・アイデンティティを手がけた日本人デザイナーは、そのグラフィック・デザインのスキルを、ハーレー・ダビッドソンをはじめとするメジャー・ブランドや、自身のレーベル「白いTシャツと黒いバイク。」にも頻繁に応用している。クリーンでエレガントなスタイルに、誇り高き日本の美意識を取り入れた彼の世界を垣間見ることができる。
ところで、同時に開催していた特別展「Wheels and Wavesポスター展」に鎮座していたこちらのヘルメットにお気づきでしたでしょうか。これ、実はこの日だけの展示で、来月フランスで開催されるWheels and Waves用に、ヘルメットメーカーのSHOEIさんとペインターのHIGH JUMPERさんにお願いしていたもの。ちょうど前日にペイントが仕上がったのですが、まだ中身やパーツがついてない状態のものを、急遽展示させていただきました。帽体だけの状態を公開するのってメーカーさんは嫌がるんですよね。そもそも帽体だけの状態で出せるなんてことも知られたくないはずですし(ペインターさんにとってその方が楽なんですが…)。本来はNGななんですが、今回、条件付きで許可をしていただいたものです。
今までのファンや仲間と、この個展を通して繋がった方が、同じくらいいたことが一番の驚きでした。ライブプリントはこれまでいろんなところでやってきたけれど、ここまでたくさんの新たな出会いはなかったように思う。たぶんこれは、イラスト展という、今までと違うことをやったこと、開催場所が56designさんであったこと、また、Wheels and Wavesに協力をしてもらったことなど、とにかく新たな事案が散りばめられていたことが理由なのかな。
毎年6月にフランスのビアリッツで開催されているWHEELS AND WAVESというイベントはご存じでしょうか。今年で14回目となるのですが、日本ではほとんど報道されないので、知る人ぞ知る…かもしれない。一方、欧州では誰もが知っている一大イベントで、モーターサイクルをメインに、サーフィン、スケートボード、そしてアートのミックスカルチャーイベントなのだが、これがなんと5日間も開催される。しかも開催中心都市であるビアリッツは、ほぼ貸切状態、お祭り騒ぎになるという、僕らにとっては天国のようなイベントがあったのです。
今回の特別展は、この奇跡に乗じて、日本の方々にこのイベントのことを知ってほしいという超個人的な想いによるものです。そして、本国フランスでの開催前に先駆けて、この特別展開催にOKを出し、その上、公式でも取り扱っていないレースポスターの制作・販売を任せてくれた、WHEELS AND WAVESのビッグボス、ジェローム・アレには感謝してもしきれません。